OPS(オーピーエス)は、出塁率と長打率を足した数字で、打者がどれだけ得点につながる打撃をしているかを表します。英語の On-base Plus Slugging の頭文字です。
打率は「ヒットを打った割合」だけを見ますが、OPS は四球・死球で塁に出たことと、二塁打・本塁打などの長打も数に入れます。そのため、打率が同じ選手でも、OPS を見ると打撃の中身の違いが分かります。
OPS の計算方法
OPS は、次の式で計算します。
OPS = 出塁率 + 長打率
出塁率と長打率は、それぞれ次のとおりです。
| 指標 | 計算式 | 意味 |
|---|---|---|
| 出塁率 | (安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛) | 打席に立って、塁に出た割合 |
| 長打率 | 塁打 ÷ 打数 | 1打数あたりの塁打の数(塁を多く進める力) |
塁打は、単打を1、二塁打を2、三塁打を3、本塁打を4として足した数です。出塁率の犠打・犠飛の扱いなどは「出塁率とは?」、塁打の数え方や長打の力だけを見る ISO は「長打率とは?」で解説しています。
出塁率は「塁に出た回数」を見るので、二塁打も本塁打も「1回」と数えます(式は安打の数)。どれだけ先の塁まで進んだかは、長打率(式は塁打の数)で見ます。この2つを足すことで、OPS は「塁に出る力」と「長打の力」の両方を表します。
計算してみましょう
ある選手の1シーズンの成績が、次のとおりだったとします。
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 打数 | 25 |
| 安打 | 8(単打5・二塁打2・本塁打1) |
| 四球 | 4 |
| 死球 | 1 |
| 犠飛 | 0 |
- 出塁率:(8+4+1)÷(25+4+1+0)= 13 ÷ 30 = .433
- 塁打:単打5×1 + 二塁打2×2 + 本塁打1×4 = 13
- 長打率:13 ÷ 25 = .520
- OPS:.433 + .520 = .953
打率は 8 ÷ 25 = .320 ですが、四球の多さと長打が加わって、OPS は .953 になりました。
打率が同じでも、OPS は大きく違う
打率が同じ2人の選手を比べてみます。
| 選手 | 成績 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS |
|---|---|---|---|---|---|
| A | 30打数9安打(すべて単打)、四球0 | .300 | .300 | .300 | .600 |
| B | 30打数9安打(単打5・二塁打2・本塁打2)、四球5 | .300 | .400 | .567 | .967 |
打率はどちらも .300 ですが、四球で塁に出て、長打も打っている選手Bのほうが、OPS はずっと高くなります。打率だけでは見えない違いが、OPS では分かります(打率の計算と打数の数え方は「打率とは?」で解説しています)。
野球の成績では、1より小さい数字を「.953」のように、先頭の0を省いて書くのが一般的です。OPS は1を超えることもあり、そのときは「1.067」のように書きます。
OPS の目安
メジャーリーグ(MLB)でよく使われる目安は、次のとおりです。
| OPS(目安) | 評価 |
|---|---|
| 1.000 前後 | 非常に優秀 |
| .900 前後 | 優秀 |
| .800 前後 | 平均より上 |
| .710 前後 | 平均 |
| .670 前後 | 平均より下 |
| .600 前後 | 低い |
出典:FanGraphs「OPS」(英語。表の一部を日本語にしたもの)。その年のリーグ全体の打撃の傾向によって、平均の値は変わります。
学生野球や草野球で見るときの注意
上の目安は、プロの投手を相手にした数字です。学生野球や草野球では、大会やリーグによって投手のレベルが大きく違うため、目安をそのまま当てはめるより、チームの中で比べるのがおすすめです。
- 打席の少ない選手の OPS は、大きくぶれます。4打数で単打と本塁打が1本ずつなら、OPS は 1.750 です。打席数もあわせて見ましょう。
- 打率は低くても OPS が高い選手は、四球を選べているか、長打を打てています。打順を考えるときの材料になります。
- エラー・野選での出塁は、出塁率と同じく、OPS にも入りません(「出塁率とは?」)。
OPS に入らないもの:盗塁
OPS は打撃の総合的な力を表す便利な指標ですが、盗塁は数に入りません。よく盗塁をする選手と、あまり走らない選手の差は、OPS には表れないことを理解しておきましょう。
「それなら、OPS の計算に盗塁の数を足せばいいのでは?」と思うかもしれません。ただ、わたしは「盗塁1つ=塁打1つ」とするのは、盗塁を高く見すぎだと考えています。
- 盗塁には、失敗(盗塁死)があります
- 長打と違って、ほかの走者をホームに返す力はありません
- 走者が盗塁を狙う間、打者が打つのを待って、カウントが不利になることもあります
こうしたことを考えると、盗塁1つの価値は、塁打1つより低く見るのがよさそうです。やはり長打こそ正義!……とわたしは思いますが、考え方は人それぞれです。足の速い選手は、OPS とあわせて、盗塁の数や盗塁成功率も見てあげてください(Bmcs の野手成績詳細で見られます)。
Bmcs で OPS を見る
OPS は、出塁率と長打率から Bmcs が自動で計算します。「成績」の画面では、規定打席に届いた選手の OPS の順位を見られます。

「野手成績詳細」には、OPS の材料の出塁率と長打率も並んでいます。OPS が高い理由が、塁に出る力なのか長打なのかを見比べられます。
「公開チーム成績」では、成績を公開しているチームの選手の OPS を、カテゴリ(社会人・高校生など)や使用球(軟式・硬式など)で絞って比べられます。同じカテゴリ・使用球のチームの中での位置を知るのに使えます(「ほかのチームと比べる」)。
全員の一覧の見方や並べ替え、規定打席の変え方は「試合を確定する・成績を見る」をご覧ください。
まとめ
- OPS = 出塁率 + 長打率。塁に出る力と、長打の力をまとめて表します
- 目安は、.800 前後で平均より上、.900 前後で優秀、1.000 前後で非常に優秀(メジャーリーグの場合)
- 打席の少ない選手の OPS は大きくぶれるので、打席数もあわせて見ましょう
- 盗塁は OPS に入らないので、足の速い選手は盗塁の記録もあわせて見ましょう
OPS は、打率だけでは見えない打者の貢献を、1つの数字で表します。Bmcs は無料で、スマホから試合のスコアを入力できます。まずはサンプルチームで体験してみてください。