出塁率は、打者が打席に立って、塁に出た割合を表す数字です。「(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)」で計算します。
打率は「打数のうち、安打になった割合」だけを見ますが、出塁率は四球・死球で塁に出たことも数に入れます。アウトにならずに塁に出る力、言いかえると、得点の機会をつくる力を見るための指標です。
この記事では、計算方法と、間違えやすい犠打・犠飛の扱い、打率との違い、数字の目安を解説します。
出塁率の計算方法
出塁率は、次の式で計算します(公認野球規則による)。
出塁率 =(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)
打率と同じく、小数第4位を四捨五入して、小数第3位まで書きます(例:.385)。
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 分子(上) | 塁に出た回数。安打・四球・死球の合計 |
| 分母(下) | 打数に、四球・死球・犠飛を足した数 |
二塁打も本塁打も、出塁率では「塁に出た1回」として数えます。どれだけ先の塁まで進んだかは長打率、長打の力だけを見るなら ISO で見ます(「長打率とは?」)。
犠打は入らず、犠飛は入る
間違えやすいのが、犠打(犠牲バント)と犠飛(犠牲フライ)の扱いです。
- 犠打:分母にも分子にも入りません(出塁率は変わりません)
- 犠飛:分母に入ります(出塁率が下がります)
どちらも打率では打数に入りませんが、出塁率では、犠飛だけが分母に入ります。送りバントは、はじめから自分がアウトになって走者を進める作戦ですが、犠牲フライは、打った結果の外野フライで走者がかえったもの、という違いがあるためと考えられています。
塁に出ても、数に入らないもの
次のように塁に出たときは、出塁率の分子に入りません。
| 塁に出た理由 | 分子(塁に出た回数) | 分母 |
|---|---|---|
| 失策(エラー) | 入らない | 入る(打数に入るため) |
| 野選(フィルダースチョイス) | 入らない | 入る(打数に入るため) |
| 振り逃げ | 入らない | 入る(三振で、打数に入るため) |
| 打撃妨害 | 入らない | 入らない |
失策・野選・振り逃げで塁に出ても、出塁率では「塁に出なかった打席」と同じ扱いです。安打や四球・死球ではなく、相手の守備や捕球によって塁に出たもので、打者の力で出塁したとは数えないためです。
計算してみましょう
1試合の例
ある選手の5打席が、次のとおりだったとします。
| 打席 | 結果 | 分子に入る? | 分母に入る? |
|---|---|---|---|
| 1 | 単打 | ○ | ○ |
| 2 | 四球 | ○ | ○ |
| 3 | 空振り三振 | × | ○ |
| 4 | 犠打 | × | × |
| 5 | 失策で出塁 | × | ○ |
出塁率:2 ÷ 4 = .500
この選手は、5打席のうち3回、塁に出ています(単打・四球・失策)。ですが、出塁率の分子に入るのは、単打と四球の2回だけです。犠打は、分母からも外れます。
なお、打率は 1 ÷ 3(単打・三振・失策が打数)= .333 です。
1シーズンの例
「打率とは?」の1シーズンの例と同じ選手で計算してみます。
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 打席 | 33 |
| 打数 | 28 |
| 安打 | 9 |
| 四球 | 3 |
| 死球 | 1 |
| 犠打 | 1 |
| 犠飛 | 0 |
出塁率:(9+3+1)÷(28+3+1+0)= 13 ÷ 32 = .406
打率は 9 ÷ 28 = .321 です。四球と死球の4回が加わって、出塁率は打率より8分5厘ほど高くなりました。
打率との違い
打率が同じでも、出塁率は違う
打率が同じ2人の選手を比べてみます(犠飛はなしとします)。
| 選手 | 成績 | 打率 | 出塁率 |
|---|---|---|---|
| A | 30打数9安打、四球0・死球0 | .300 | .300 |
| B | 30打数9安打、四球8・死球2 | .300 | .475 |
打率はどちらも .300 ですが、選手Bは四球と死球で10回多く塁に出ています。出塁率は .475 で、選手Aより大きく上回ります。
出塁率と打率の差が大きい選手は、四球・死球でよく塁に出ている選手です。ボールの見極め(選球眼)を見る目安にもなります。
出塁率が、打率より低くなることもある
出塁率は、ふつうは打率と同じか、打率より高くなります。ただし、四球・死球が少なく、犠飛があると、打率より低くなることがあります。
例:20打数6安打、四球0・死球0、犠飛2
- 打率:6 ÷ 20 = .300
- 出塁率:6 ÷(20+2)= .273
犠飛は、打率では打数に入りませんが、出塁率では分母に入るためです。計算の間違いではありません。
出塁率を重視するときのポイント
出塁率の高い選手が多いと、大量得点につながる
出塁率は、どうしても打率ほど目立たない数字です。それでも、打率より出塁率を重視するチームは、わりと多いと思います。
出塁率が高いということは、アウトになりにくいということです。出塁率の高い選手が多ければ、打線がつながり、大量得点の可能性も上がります。
ただし、出塁率は走者をかえす力を表す指標ではありません。塁をにぎやかにしたのに、あと1本が出ずにチェンジ、ということもありえます。チーム全体のバランスを見て、打順の途中に、走者をかえす力のある選手を入れるとよいと思います。
四死球を狙いすぎない
出塁率を高くするには、四死球(四球と死球)を得ることが大切です。ただ、そこに意識が向きすぎると、打てるボールまで見逃してしまいがちで、三振も増えがちです。打率が下がれば、結局は出塁率も下がってしまいます。
打ちにいきながら、四死球も取る。このスタンスが大切ではないでしょうか。
出塁率の目安
メジャーリーグ(MLB)でよく使われる目安は、次のとおりです。
| 出塁率(目安) | 評価 |
|---|---|
| .390 前後 | 非常に優秀 |
| .370 前後 | 優秀 |
| .340 前後 | 平均より上 |
| .320 前後 | 平均 |
| .310 前後 | 平均より下 |
| .300 前後 | 低い |
| .290 前後 | 非常に低い |
出典:FanGraphs「OBP」(英語。表を日本語にしたもの)。出塁率は英語で On-Base Percentage といい、OBP と略します。その年のリーグ全体の打撃の傾向によって、平均の値は変わります。
学生野球や草野球で見るときの注意
上の目安は、プロの投手を相手にした数字です。学生野球や草野球では、大会やリーグによって投手のレベルが大きく違うため、目安をそのまま当てはめるより、チームの中で比べるのがおすすめです。
- 打席が少ないうちは、四球1つで出塁率が大きく動きます。数試合で5割を超えることもあるので、打席数もあわせて見ましょう
- 失策で塁に出た打席は、出塁率では「アウトになった打席」と同じ扱いです。相手の失策が多い大会では、出塁率が全体に低めに出ます
- 打率が低くても出塁率が高い選手は、四球を選べています。塁に出てほしい1番・2番などの打順を考えるときの材料になります
Bmcs で出塁率を見る
四球・死球・犠飛を含めた出塁率も、Bmcs が自動で計算します。「成績」の画面には、規定打席に届いた選手の出塁率の順位が出ます。

打席ごと(プレー毎)に入力すると、四球・死球・犠飛も自動で数えます。試合結果のみで入力するときは、四球・死球・犠飛の数も入れると、出塁率を正しく計算できます(「試合を入力する(試合結果のみ・まとめて入力)」)。
公開しているチームでは、「選手の分析」で、打率・OPS とあわせて出塁率が大きく出ます。プレー毎で入力した試合で、相手投手の右・左を記録した打席からは、対右投手・対左投手の出塁率も見られます(「選手の分析を見る」)。
全員の一覧の見方や並べ替え、規定打席の変え方は「試合を確定する・成績を見る」をご覧ください。
まとめ
- 出塁率 =(安打+四球+死球)÷(打数+四球+死球+犠飛)。打席に立って、塁に出た割合です
- 犠打は数に入りませんが、犠飛は分母に入ります。失策・野選・振り逃げで塁に出ても、分子には入りません
- 出塁率と打率の差が大きい選手は、四球・死球でよく塁に出ている選手です
- 出塁率の高い選手が多いと、大量得点につながります。走者をかえす力のある選手とのバランスも大切です
- 四死球を狙いすぎず、打ちにいきながら四死球も取るのがおすすめです
- 目安は、.340 前後で平均より上、.370 前後で優秀(メジャーリーグの場合)
出塁率に長打率を足すと、打撃を総合的に見られる OPS になります(「OPSとは?」)。Bmcs は無料で、スマホから試合のスコアを入力できます。まずはサンプルチームで体験してみてください。