WHIP(ウィップ)は、投手が1イニングあたりに、安打と四球で何人の走者を出したかを表す数字です。英語の Walks plus Hits per Inning Pitched の頭文字です。
防御率は「何点取られたか」を見ますが、失点は味方の守備や、走者を置いた後の打たれ方にも左右されます。WHIP は、点につながるもとになる走者をどれだけ出さなかったかを見るため、投手の安定感を表す指標としてよく使われます。数字は小さいほど良い投手です。
WHIP の計算方法
WHIP は、次の式で計算します。
WHIP =(被安打 + 与四球)÷ 投球回
| 項目 | 意味 |
|---|---|
| 被安打 | 投手が打たれた安打の数(本塁打も含む) |
| 与四球 | 投手が出した四球の数 |
| 投球回 | 投手が取ったアウトの数 ÷ 3 |
一般的な WHIP では、死球・エラー・野選で出た走者は数に入れません。「投手が打たれた・歩かせた走者」だけを数えます。
投球回は、アウト1つが 1/3 回です。たとえば、1回から投げて、6回にアウトを1つ取ったところで交代したときは「5回1/3」で、計算では 5と1/3(約5.33)で割ります。
計算してみましょう
ある投手の1シーズンの成績が、次のとおりだったとします。
| 項目 | 数 |
|---|---|
| 投球回 | 20 |
| 被安打 | 18 |
| 与四球 | 8 |
WHIP:(18 + 8)÷ 20 = 26 ÷ 20 = 1.30
1イニングあたり、平均して 1.3 人の走者を出したことになります。
防御率が同じでも、WHIP は違う
防御率が同じ2人の投手を比べてみます。どちらも18回を投げて、自責点は6です。
| 投手 | 被安打 | 与四球 | 防御率 | WHIP |
|---|---|---|---|---|
| A | 12 | 3 | 3.00 | 0.83 |
| B | 20 | 10 | 3.00 | 1.67 |
防御率はどちらも 3.00 ですが、投手Bは毎回のように走者を背負っています。今の防御率は、ピンチをしのいだ結果かもしれません。走者を出さない投手Aのほうが、試合を落ち着いて進められる投手だといえます。
投手Bのように、防御率は低いのに WHIP が高い投手は、いわゆる「劇場型」の投手です。毎回ランナーを出すので、見ていて疲れます。
防御率は「何回あたりの自責点か」(9回か7回か)で数字が変わります(Bmcs の防御率は9回あたりで、自責点 × 9 ÷ 投球回)。WHIP は1イニングあたりの数字なので、7回制の試合でも、計算の単位はプロと同じです(ただし、相手打者のレベルは違います。下の「学生野球や草野球で見るときの注意」をご覧ください)。
WHIP の目安
メジャーリーグ(MLB)でよく使われる目安は、次のとおりです。
| WHIP(目安) | 評価(小さいほど良い) |
|---|---|
| 1.00 前後 | 非常に優秀 |
| 1.10 前後 | 優秀 |
| 1.20 前後 | 平均より上 |
| 1.30 前後 | 平均 |
| 1.40 前後 | 平均より下 |
| 1.50 前後 | 悪い |
| 1.60 前後 | 非常に悪い |
出典:FanGraphs「WHIP」(英語。表を日本語にしたもの)。その年のリーグ全体の傾向によって、平均の値は変わります。
学生野球や草野球で見るときの注意
上の目安は、プロの打者を相手にした数字です。学生野球や草野球では、相手打者のレベルが大会やリーグごとに大きく違うため、目安をそのまま当てはめるより、チームの中で比べるのがおすすめです。
- 投球回の少ない投手の WHIP は、大きくぶれます。1イニングだけ投げて無安打・無四球なら 0.00、アウトを1つ取る間に安打と四球で3人の走者を出して交代すると、9 前後の大きな数字になります。
- エラーで出た走者は、WHIP では走者として数えません。エラーの多い試合で走者を背負っても、WHIP は大きくなりません。
- WHIP が大きい投手は、被安打と与四球のどちらが多いかを見ると、課題が分かります。四球が多いなら制球、被安打が多いなら球威や配球の見直しが考えられます。
WHIP に入らないもの:奪三振
WHIP は走者の数だけを見るため、三振を取ったか、打たせて取ったかは区別しません。どちらもアウト1つです。
ただ、打たせて取る投手は、守備の上手・下手の影響を受けやすくなります。特にプロ以外の試合では、打球が飛べばエラーで走者が出ることもあります。投手の力をより正確に見たいときは、奪三振や K/BB(奪三振 ÷ 与四球)もあわせて見るのがおすすめです(Bmcs の投手成績詳細で見られます。くわしくは「奪三振率とは?」)。
Bmcs で WHIP を見る
WHIP も Bmcs が自動で計算します。「成績」の画面には、規定投球回に届いた投手の WHIP の順位が、小さい順に出ます。

Bmcs の投球回は、1/3 回を「.33」、2/3 回を「.66」と表示します(例:5回1/3 は 5.33)。WHIP が大きい投手の被安打と与四球の内訳は、「投手成績詳細」で同じ行に並んでいます。
全員の一覧の見方や並べ替え、規定投球回の変え方は「試合を確定する・成績を見る」をご覧ください。
まとめ
- WHIP =(被安打 + 与四球)÷ 投球回。1イニングあたりに出した走者の数で、小さいほど良い投手です
- 目安は、1.20 前後で平均より上、1.10 前後で優秀、1.00 前後で非常に優秀(メジャーリーグの場合)
- 防御率が同じでも、WHIP を見ると、走者を出さない安定感の違いが分かります
- 投球回の少ない投手の WHIP は大きくぶれます。投球回もあわせて見ましょう
打者の総合的な力を表す指標は、「OPSとは?」で解説しています。
WHIP は、防御率とあわせて見ると、投手の安定感がよく分かります。Bmcs は無料で、スマホから試合のスコアを入力できます。まずはサンプルチームで体験してみてください。