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QS(クオリティスタート)とは?条件とQS率、7回制の試合での基準

更新日: 書いた人:Bmcs 運営者

#投手の指標 #成績の見方

QS(クオリティスタート)は、先発投手が6回以上を投げて、自責点を3以内に抑えることです。先発投手が「試合を作った」かどうかを表す記録で、英語の Quality Start の頭文字を取って QS と書きます。

先発投手の勝ち負けは、味方の打線が点を取ってくれたかどうかに大きく左右されます。QS は、打線の援護に関係なく、先発投手が自分の役割を果たしたかを見るための記録です。先発した試合のうち QS だった割合を「QS率」といいます。

この記事では、QS の条件と QS率の計算方法に加えて、7回制の試合やコールドゲームでの基準を解説します。

QS の条件

次の3つをすべて満たすと、その試合は QS です。

  1. 先発投手である(救援投手には付きません)
  2. 6回以上を投げる(投球回が6以上)
  3. 自責点が3以内

ポイントは、失点ではなく自責点で判定することです。味方の失策から入った点は自責点にならないため、5失点でも自責点が3以内なら QS になります。自責点と失点の違いは「防御率とは?」で解説しています。

また、試合の勝ち負けや、投手の勝敗は関係ありません。QS を記録しても、打線が点を取れずに負けることはあります。反対に、6回の途中で交代した投手や、自責点が4以上の投手は、試合に勝って勝利投手になっても QS ではありません。

先発投手の成績 QS 理由
6回 自責点3 ○ 条件をちょうど満たす
7回 5失点(自責点2) ○ 失点は多いが、自責点は3以内
9回 自責点4(完投) × 自責点が4
5回2/3 自責点0 × 投球回が6に届かない

QS率の計算方法

QS率は、先発した試合のうち、何試合で QS を記録したかの割合です。

QS率 = QS ÷ 先発した試合数 × 100

たとえば、20試合に先発して QS が12なら、12 ÷ 20 × 100 = 60% です。QS率は、投手の勝率と違って打線の援護に左右されないため、先発投手の安定感をそのまま比べられます。

QS が生まれた理由

QS は、1985年に、アメリカの新聞「フィラデルフィア・インクワイアラー」の記者だったジョン・ロウが考えたものです(出典:Christopher Gehringer「Quality Starts 1957-2006」(Retrosheet)。英語)。

「6回・自責点3」は、9イニングの試合でいえば、3分の2のイニングを投げて、1イニングあたりの自責点を0.5以内に抑えたことになります。先発投手が試合の大部分を投げ、勝てる形のまま救援投手につないだ、という目安です。

「防御率4.50でも QS」という批判と、実際のデータ

QS には、昔からある批判があります。「6回・自責点3」をちょうど満たした試合は、防御率にすると 4.50(3 × 9 ÷ 6)で、良い投球とはいえない、というものです。

ただし、実際の QS の多くは、最低の条件よりずっと良い内容です。メジャーリーグの1984〜1991年の先発を調べた研究では、次のような結果が出ています(出典:同上の Retrosheet の資料。David W. Smith の研究の紹介)。

  • QS の試合だけで計算した防御率は 1.91
  • QS の試合の平均の投球回は、7回半に近い
  • 「6回・自責点3」ちょうどの QS は、約17,500回の QS のうち1,000回未満(5.7%)

また、同じ資料では、1957〜2006年のメジャーリーグで、先発投手が QS を記録した試合のチームの勝率は約67.5%(3試合に2試合)で、QS は先発全体のほぼ半分(約51.6%)で記録されていました。QS は「勝てる試合を作った」ことの目安として、十分に役立つ記録といえます。

より厳しい基準:HQS と沢村賞

QS より厳しい基準として、HQS(ハイクオリティスタート)があります。7回以上・自責点2以内の投球で、上の資料では、HQS の試合のチームの勝率は76%を超えていました。

日本のプロ野球では、最も活躍した先発投手に贈られる沢村賞の選考で、2018年から、7回以上・自責点3以内の試合の割合が補足の項目に加わりました(出典:ベースボールチャンネル「巨人・菅野、史上5人目の2年連続沢村賞」)。投手の分業が進み、完投の数などの従来の基準を満たしにくくなったためです。QS より1イニング長く投げることを求めています。

7回制の試合やコールドゲームでの基準

QS の「6回」は、9イニングの試合を前提にした数です。7回制の試合(中学野球や草野球など)でそのまま使うと、7回のうち6回を投げる必要があり、9イニングの試合よりずっと厳しくなります。

7回制の試合の QS に、広く使われている基準は見当たりません。そこで、試合のイニング数に合わせて、6回と自責点3を同じ割合で縮める考え方があります。9イニングの「6回・自責点3」は、試合のイニングの3分の2を投げて、自責点を試合のイニング数の3分の1(3 ÷ 9)以内に抑えることなので、

  • 投球回:試合のイニング数 × 2 ÷ 3 以上
  • 自責点:3 × 試合のイニング数 ÷ 9 以内(自責点は整数なので、端数は切り捨て)

とします。Bmcs の QS も、この考え方で判定しています。

試合のイニング数 投球回 自責点
9回 6回以上 3以内
7回 4回2/3以上 2以内
6回 4回以上 2以内
5回(コールドゲームなど) 3回1/3以上 1以内

7回制の基準「4回2/3・自責点2」は、防御率にすると約3.86(2 × 9 ÷ 4回2/3)で、9イニングの「6回・自責点3」(4.50)より少しだけ厳しくなります。自責点の端数を切り捨てるためです。

5回で終わったコールドゲームのように、決められた回より早く終わった試合は、実際に行ったイニング数で基準を決めます。7回制の試合が5回で終わったのに、7回制の基準(4回2/3)のままだと、5回を投げきった先発投手にしか QS が付かなくなるからです。

計算してみましょう

7回制の試合で、ある先発投手の6試合の成績を見てみます。

試合 イニング数 投球回 自責点 QS 理由
1 7回 7 2 ○ 完投、自責点2
2 7回 5 3 × 自責点が3(7回の試合は2以内)
3 7回 4 2/3 1 ○ 投球回がちょうど基準
4 7回 4 1/3 0 × 投球回が4回2/3に届かない
5 7回 6 2 ○ 自責点2
6 5回(コールド) 5 1 ○ 5回の試合の基準(3回1/3・自責点1)を満たす

QS率:4 ÷ 6 × 100 ≒ 66.7%

試合4は自責点0ですが、5回の途中で交代したため QS ではありません。QS は「長いイニングを投げること」も条件なので、無失点でも、早く交代すると記録されません。

学生野球や草野球で見るときの注意

この記事で紹介した数字(QS の試合の防御率や勝率、QS が記録される割合)は、メジャーリーグの数字です。学生野球や草野球では、目安をそのまま当てはめるより、チームの中で比べるのがおすすめです。

  • 投手の起用の方針で、QS率は大きく変わります。球数の制限があるチームや、「先発は3〜4回まで」とイニングを分けて投げるチームでは、良い投球をしても QS はほとんど付きません。QS率は、投手の力だけでなく、チームの起用の仕方も表す数字です。QS率で比べるのは、長いイニングを任されている先発投手どうしにしましょう
  • 自責点の判断で、QS かどうかが変わります。失策の多い試合では、どの点が自責点になるかの判断が分かれやすく、自責点が1つ違うだけで QS が付いたり付かなかったりします。自責点の考え方は「防御率とは?」をご覧ください
  • 先発した試合が少ないうちは、1試合で QS率が大きく動きます。先発が5試合なら、1試合で20%変わります

Bmcs で QS を見る

Bmcs では、打席ごと(プレー毎)に入力した試合は、「試合終了」まで入力すると、先発投手の QS を自動で判定します。判定の基準は、上の「7回制の試合やコールドゲームでの基準」のとおり、その試合で行ったイニング数に合わせます(延長戦で9回を超えたときは、9回として数えます)。1回の最初の打者に投げた投手が先発です。

試合結果のみで入力する試合は、自動では判定しません。投手成績の「先発」「QS」を押して選んでください(「試合を入力する(試合結果のみ・まとめて入力)」)。プレー毎の試合でも、自動で付いた QS は、「試合結果の入力・確定」の画面で直せます(「再集計する」を押すと、自動の判定に戻ります)。

メニューの「成績」には、QS の多い投手の順位が出ます。

成績の画面の QS の順位

QS率は、「投手成績詳細」の「QS率(%)」の列で、先発(先発した試合数)・QS・完投・完封の近くにあります。項目名の「QS率(%)」を押すと、QS率の高い順に並べ替えられます。「チーム成績詳細」にも、チーム全体の QS率があります。

投手成績詳細の「平均投球回」は、救援で投げた試合も含めた、1登板あたりの投球回です。先発したときの平均ではありません。

全員の一覧の見方や表示する項目の選び方は「試合を確定する・成績を見る」をご覧ください。

まとめ

  • QS(クオリティスタート)は、先発投手が6回以上を投げて、自責点3以内に抑えること。失点ではなく自責点で、試合の勝ち負けには関係ありません
  • QS率 = QS ÷ 先発した試合数 × 100。打線の援護に左右されない、先発投手の安定感の目安です
  • 「防御率4.50でも QS」という批判はありますが、メジャーリーグの研究では、QS の試合の防御率は1.91、チームの勝率は約67.5%でした
  • より厳しい基準に、HQS(7回以上・自責点2以内)や、沢村賞の補足項目(7回以上・自責点3以内)があります
  • 7回制の試合では、イニング数に合わせて縮めると「4回2/3以上・自責点2以内」です。コールドゲームは、実際に行ったイニング数で考えます
  • イニングを分けて投げるチームでは QS は付きにくいので、長いイニングを任されている先発投手どうしで比べましょう

先発投手の投球の中身は、点を取られなかったかを「防御率とは?」、走者を出さない力を「WHIPとは?」で解説しています。QS率とあわせて見ると、試合を任せられる投手がよく分かります。Bmcs は無料で、スマホから試合のスコアを入力できます。まずはサンプルチームで体験してみてください。

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