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奪三振率とは?計算式と目安、三振の割合(K%)で比べる理由

更新日: 書いた人:Bmcs 運営者

#投手の指標 #成績の見方

奪三振率は、投手が9イニング(1試合)を投げたら、いくつの三振を奪うかを表す数字です。「奪三振 × 9 ÷ 投球回」で計算し、大きいほど三振を取れる投手です。英語では K/9(ケーナイン)と書きます。

奪三振の数は、たくさん投げた投手ほど多くなります。奪三振率は9イニングあたりにそろえるので、先発と救援のように、投げたイニングが違う投手どうしでも比べられます。

ただし、奪三振率は「アウト」を基準にした数字のため、三振を取る力が同じでも、走者を多く出す投手のほうが高く出ることがあります。この記事では、計算方法と目安に加えて、その点を補う「三振の割合(K%)」との違いを解説します。

奪三振率の計算方法

奪三振率は、次の式で計算します。

奪三振率 = 奪三振 × 9 ÷ 投球回

項目 意味
奪三振 投手が奪った三振の数(振り逃げも含む。下の「振り逃げも奪三振に数える」で説明します)
投球回 投手が取ったアウトの数 ÷ 3
× 9 9イニングあたりの数字にそろえる

防御率と同じく、9イニングあたりの数字です。小数第2位まで書くのが一般的です(例:7.71)。

振り逃げも奪三振に数える

捕手が第3ストライクを捕れず、打者が一塁へ走る「振り逃げ」も、記録は三振です。打者が一塁に生きた場合も、投手には奪三振が付きます(あわせて、多くは捕手の捕逸か投手の暴投が記録されます)。

そのため、1イニングに4つ以上の三振を奪うことがあります。三振を奪ったのに、アウトが増えないからです。日本のプロ野球でも、1イニング4奪三振は何度も記録されています(出典:NPB「【記録員コラム】三振=アウトではない!?」)。

捕手が捕りにくい変化球で三振を取る投手や、捕球に慣れていない捕手と組むときは、振り逃げが増えます。振り逃げで打者が一塁に生きると、奪三振は増えてもアウトは増えません。振り逃げが多い投手の奪三振率は、その分だけ高く出る点を覚えておきましょう。

計算してみましょう

「防御率とは?」の計算例と同じ投手で計算してみます。

項目 数
投球回 21
対戦した打者 95
奪三振 18
与四球 6

奪三振率:18 × 9 ÷ 21 = 162 ÷ 21 ≒ 7.71

9イニングを投げると、平均して7〜8個の三振を奪う投手、ということになります。

7回制の試合では、1試合あたりの数より大きく出る

奪三振率は、7回制の試合(中学野球や草野球など)でも、9イニングあたりで計算します。7回制の試合を完投して、毎試合7個の三振を奪う投手の奪三振率は、7 × 9 ÷ 7 = 9.00 です。

7回制の試合で「1試合に何個くらい三振を取るか」を知りたいときは、奪三振率 × 7 ÷ 9 で計算できます(上の例の 7.71 なら、約6個)。考え方は防御率と同じなので、くわしくは「防御率とは?」をご覧ください。

なお、ソフトボールでは、奪三振率も7イニングあたり(奪三振 × 7 ÷ 投球回)で出すことが多く、アメリカの大学ソフトボール(NCAA)でも「7イニングあたりの奪三振」が使われています(出典:NCAA.com。英語)。Bmcs は、ソフトボールのチームでも9イニングあたりで計算しているため、ソフトボールの大会の記録と比べるときは、Bmcs の奪三振率 × 7 ÷ 9 で直してください。

奪三振率と、三振の割合(K%)の違い

奪三振率は「アウトのうち、三振がいくつか」

奪三振率は、取ったアウトの数(投球回)を基準にしています。9イニングは27アウトなので、式は次のように書き直せます。

奪三振率 = 奪三振 ÷ 取ったアウトの数 × 27

つまり奪三振率は、取ったアウトのうち、三振がいくつあったかを表しています(振り逃げのような、アウトにならない三振が無い場合)。

四球や安打は、奪三振もアウトも増やしません。そのため、走者を出したこと自体で、奪三振率が上がるわけではありません。ただし、走者を出すと、3つのアウトを取るまでに対戦する打者が増え、三振を奪う機会も増えます。

三振を取る力が同じでも、走者を多く出すと高く出る

ただし、三振を取る力が同じなら、走者を多く出す投手のほうが、奪三振率は高く出ます。2人の投手が、それぞれ1イニングを投げたとします。

  • 投手A:三振、内野ゴロ、外野フライ
  • 投手B:四球、三振、安打、失策、三振、外野フライ
投手 打者 奪三振 奪三振率 三振の割合
A 3 1 9.00 33.3%
B 6 2 18.00 33.3%

どちらも、対戦した打者の3人に1人から三振を奪っていて、三振を取る力は同じです。ところが、投手Bは3人の走者を出したため、3つのアウトを取るまでに6人と対戦し、三振を奪う機会が2倍になりました。その結果、アウトのうちの三振が多くなり、奪三振率は投手Aの2倍になっています。

失策で出た走者も同じです。失策はアウトにならないため、アウトを取るまでに対戦する打者が増えます。失策の多い試合では、三振を取る力が同じでも、奪三振率が高めに出ます。

三振の割合(K%)で比べる

そこで使われるのが、三振の割合(K%)です。対戦した打者のうち、何人から三振を奪ったかを表します。

三振の割合(K%)= 奪三振 ÷ 対戦した打者 × 100

「計算してみましょう」の投手は、18 ÷ 95 × 100 ≒ 18.9% です。打者の5人に1人くらいから、三振を奪っています。

三振の割合は、対戦した打者の数で割るので、走者を何人出したかに左右されません。投手どうしを比べるときは、三振の割合のほうが公平です。奪三振率は「1試合でどれくらい三振を取るか」のイメージがつかみやすい数字、三振の割合は「三振を取る力」をそのまま比べる数字、と使い分けるのがおすすめです。

奪三振率・三振の割合の目安

メジャーリーグ(MLB)でよく使われる目安は、次のとおりです。

評価 奪三振率(K/9) 三振の割合(K%)
非常に優秀 10.0 27.0%
優秀 9.0 24.0%
平均より上 8.2 22.0%
平均 7.7 20.0%
平均より下 7.0 17.0%
低い 6.0 15.0%
非常に低い 5.0 13.0%

出典:FanGraphs「Strikeout and Walk Rates」(英語。表を日本語にしたもの)。その年のリーグ全体の傾向によって、平均の値は変わります。出典では、救援投手は先発投手より、三振の割合が3%ほど高くなるとしています。

「計算してみましょう」の投手は、奪三振率 7.71 で、メジャーリーグの平均くらいです。ただし、三振の割合は 18.9% で、平均(20%)より少し下です。21回で95人と、アウトの数に比べて対戦した打者が多めなので、奪三振率が高めに出ています。

学生野球や草野球で見るときの注意

上の目安は、プロの打者を相手にした数字です。学生野球や草野球では、目安をそのまま当てはめるより、チームの中で比べるのがおすすめです。

  • 失策や四球の多い試合では、上の「三振を取る力が同じでも、走者を多く出すと高く出る」のとおり、奪三振率が高めに出ます。投手どうしを比べるときは、三振の割合も見ましょう
  • 捕手が第3ストライクを捕れない振り逃げは、プロ以外の試合で起きやすくなります。振り逃げの多い投手は、捕手との組み合わせも見てみましょう
  • 三振が多くても、四球が多いと走者がたまります。奪三振と与四球のバランスは、K/BB(奪三振 ÷ 与四球)で見られます。「計算してみましょう」の投手は 18 ÷ 6 = 3.00 で、四球1つにつき三振を3つ奪っています

三振を取れる投手は、守備に不安のあるチームの強い味方

三振は、味方の守備の力に関係なく取れるアウトです。打たせて取ると、打球を処理する野手の失策から、ピンチが広がることがあります。三振なら、その心配がありません(振り逃げを除く)。

そのため、守備に不安のあるチームでも、奪三振率の高い投手がいれば、勝ち上がれる可能性は高くなります。いわゆる「ワンマンチーム」ですが、それくらい、三振を取れる投手は魅力です。

Bmcs で奪三振率を見る

Bmcs では、試合を入力して確定すると、投手ごとの奪三振と奪三振率を自動で計算します。打席ごと(プレー毎)に入力するときは、結果の「空振り三振」「見逃し三振」「振り逃げ」が、その打席の投手の奪三振になります。試合結果のみで入力するときは、投手ごとに奪三振の数を入れてください(「試合を入力する(試合結果のみ・まとめて入力)」)。

メニューの「成績」には、奪三振の多い投手の順位が出ます。

成績の画面の奪三振の順位

奪三振率は、「投手成績詳細」で、奪三振・K/BB・与四球率(9イニングあたりの与四球)と並んでいます。項目名の「奪三振率」を押すと、奪三振率の高い順に並べ替えられます。

三振の割合(K%)の列はありませんが、同じ表の「打席」(対戦した打者の数)で奪三振を割ると求められます。試合結果のみで入力する試合は、投手の「打席」も入れておきましょう(空欄だと0として数えるため、三振の割合が実際より高く出ます)。なお、野手成績詳細の「三振率(%)」は、打者が打席のうち三振した割合で、投手の奪三振率とは別のものです。

公開しているチームでは、「選手の分析」の投手のタブで、右打者・左打者ごとの三振の割合が見られます。プレー毎で入力し、相手打者の右・左を記録した打席から集計します(「選手の分析を見る」)。

Bmcs の K/BB は、与四球が0のときは、奪三振の数をそのまま出します(0で割れないため)。

全員の一覧の見方や規定投球回の変え方は「試合を確定する・成績を見る」をご覧ください。

まとめ

  • 奪三振率 = 奪三振 × 9 ÷ 投球回。9イニングを投げたら奪う三振の見込みで、大きいほど三振を取れる投手です
  • 振り逃げも奪三振に数えます。アウトにならない三振があるので、1イニングに4つ以上の三振を奪うこともあります
  • 奪三振率は、取ったアウトのうち三振がいくつあったかを表します。走者を出しただけでは上がりませんが、三振を取る力が同じなら、走者を多く出す投手のほうが高く出ます。投手どうしを比べるなら、三振の割合(奪三振 ÷ 対戦した打者)が公平です
  • 三振は、味方の守備の力に関係なく取れるアウトです。守備に不安のあるチームほど、三振を取れる投手は頼りになります
  • 目安は、奪三振率 7.7・三振の割合 20% で平均、奪三振率 9.0・三振の割合 24% で優秀(メジャーリーグの場合)
  • 7回制の試合で1試合あたりの三振の数を知りたいときは、奪三振率 × 7 ÷ 9 で計算します

点を取られなかったかは「防御率とは?」、走者を出さない力は「WHIPとは?」で解説しています。三振の数とあわせて見ると、投手の持ち味がよく分かります。Bmcs は無料で、スマホから試合のスコアを入力できます。まずはサンプルチームで体験してみてください。

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